先日10数年ぶりくらい?に当道音楽会の職格試験会場へ行ってきました。
まぁ驚くほど酷いものでした。
まず公平性に欠ける事を平然としていて何の疑問も持っていないという事。
実技の試験に関しても、何故それが駄目なのかという理由を
きちんと音楽理論に則って説明できない人が試験官をされているという事。
試験官がまともに調弦をできていないのに、受験生の音が悪いと批判できるのでしょうか?
どの耳を持って音程が悪いと判断されるのか甚だ疑問でした。
何故純正律で調弦をした方がいいのか(説明を受けた時は純正律という言葉すら使われませんでした)
それすら理解されてるとは到底思えません。
三味線における半音の音程は低くなければいけないというご意見でしたが、それも間違いで
三味線には「微分音」というものが作れる楽器で、この微妙なさじ加減で表現を変化させます。
半音のツボを低めに取る場合もあれば、少し高めにする場合もある。そういう事も理解しておられないようで
半音が来れば必ず低めと妙な事を信じられているようでした。
譜面に速度指定がない以上、受験者がどんな速度で演奏しても良いわけで、
それを音楽的ではないと批判する一方で、8分音符が正確ではないと。
楽譜に書かれている通り弾けと仰られていましたが、それも矛盾した話で、
そもそも地唄の8分音符というものは、楽譜に書かれている8分音符とは微妙に拍をずらすものです。
それを楽譜に書かれているからその通りに弾けという事自体、音楽的ではないはずなのですが?
そんなお稽古私はつけた事がありません。地唄の拍子は地唄らしく取るのが地唄です。
楽譜通りに弾くなら打ち込みで機械に演奏させればいいのです。
どういう基準で試験官を選ばれているのか知りませんが、
私が30年以上前に受けた頃とは随分質が落ちている気がいたします。
少なくとも採点をするならば、
・楽理をきちんと理解できている
・地唄とはどういうものなのか理解している
・純正律できちんと調弦ができる程度の音感を持っている
(聞いていましたが、試験官の方が「きちんと合っている」と仰った完全5度ですら
音がズレていました。つまり完全5度の音程すら合っているかわからない程度の音感の方です)
そのくらいの人が試験官になるべきだと思いました。
そんな職格試験に合格したとて、果たしてそのお免状にどれだけの意味があるのでしょう?
人に教えられる資格というものが本当にあるのでしょうか?
(もちろん受験した生徒の技術不足はこの際棚にあげています 笑)