松の寿
作曲者:在原勾当
調弦【三絃】:二上り
調弦【箏】:平調子
歌詞:
千歳経る 松の寿 緑なる
苔は蒸すとも 色変へぬ
操すぐなる 若竹や
雪の重みは 未だ知らず
知らぬ筑紫へ 行く梅も
昔生れは 浪花津に
冬籠りして 咲くうちに
鶯の来て 春を告げ
花の鏡と なる水に
亀ぞ浮びて 君が代を
久しかれとぞ 祈り舞ふ
鶴も群れゐて 遊ぶなり
解説:
千年も経った松の樹齢は長く、それに苔が生えても緑の色を変えない。
節操のまっすぐな若竹は雪の重みをまだ知らない。
筑紫の菅原道真を慕って飛んでいったという飛梅も、
生まれは難波津に冬ごもりして
咲いているうちに、鶯が来て春を告げてぱっと咲き出したのである。
花の鏡となる水に亀が浮かび出て、君が代を久しく栄えなさらん事を祈って舞い。
鶴も群れて遊ぶのである。