秋風辞

菊原琴治

調弦【三絃】三下り

調弦【箏】雲井調子より三を半音上げ(一は五の乙)
[ 転調部分 ] 八半音上下、巾は九の甲


歌詞:

さやさやと人の心に通ひくる 響き涼しく懐かしく
水の音かと汀に行けば 水は静かに音もなく 桔梗と萩に降り注ぐ
雨の音かと忍び足 花野を行けば雨にもあらず
鈴虫、松虫、きりぎりす、はたおり虫の声にもあらで
里の童の吹き鳴らす 草の笛かと林に行けば
童はあらず 木の葉鳴り 目にさやかなる秋景色
玉を転ばす床しき音は これやこのいづくともなく響き来る
夢と現の秋の声 心に通ふ秋の風


解説:

昭和十六年九月、NHKの依嘱により新形式の三曲ものとして作曲されました。
菊筋の名取お披露目で演奏される曲です。
手事には秋の風景が目に浮かんでくるような手が付けられています。

分類: