摘草
作曲者:菊原琴治
調弦【三絃】:
調弦【箏】:雲井調子(巾は九の甲)→平調子
歌詞:
長閑さや ひばりもうたう 弥生空
すみれ、たんぽぽ、菜の花に ひらひらと蝶の舞う
袖も軽げや乙女ごの 心つくし愛らしく
待つ小鳥にも一束の いえづとにせんはこべ草
よめなごぎょうもとりどりに 門に満ちたり春の色
入相告ぐる小川辺や たなびき渡る夕霞
楽しさ飽かぬ 野辺の摘草
解説:
菊原の四つ物のひとつです。
春らしい情景が見えてくる歌詞です。
「長閑なことよ、ひばりもうたう三月の空である。
すみれ、たんぽぽ、菜の花に、ひらひらと蝶が舞うし
袖も軽そうに乙女ごの心づかいが愛らしく
家に飼った小鳥の土産として、一束のはこべ草を運こんでいく。
よめな、ごぎょうと色とりどりに、家の門辺に満ちた春の風情
入相を告げる鐘の音が聞こえ、小川辺にたなびく夕霞
すべて楽しさの尽きない春の摘み草である。」